ビタミンB12不足が招く「疲労感」の正体

家事に育児に仕事にと動き回っているのに、朝から疲れが抜けない――そんな感覚に心当たりのある方は多いのではないでしょうか。疲労の原因はひとつではありませんが、見落とされがちな要因のひとつに「ビタミンB12不足」があります。今回はB12と疲労感の関係を整理してみます。

B12不足がなぜ疲労感につながるのか

ビタミンB12は、赤血球を作る過程に関わっている栄養素です。B12が不足すると赤血球がうまく作られず、体中に酸素を運ぶ能力が落ちてしまうことがあります。酸素の運搬が滞ると、体は慢性的な酸欠状態に近い状態になり、だるさや疲れやすさとして感じられることがあります。また、B12は神経の機能維持にも関わっているため、不足が続くと集中力の低下や気力の減退といった形で現れることも報告されています。

「疲れ=B12不足」と決めつけないでください

ここで一つ、はっきりお伝えしておきたいことがあります。疲労感の原因は、睡眠不足、鉄欠乏、甲状腺の機能低下、慢性的なストレスなど、B12不足以外にもさまざまなものが考えられます。「最近疲れが取れないのはB12が足りないからだ」と自己判断で結論づけるのは早計です。疲労感が長く続く、日常生活に支障が出ているという場合は、自己判断せず、まずは医療機関を受診することをおすすめします。

2025年版基準からみる実際の摂取状況

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、ビタミンB12の目安量は18歳以上の男女ともに1日4.0μgとされています。一方、令和5年国民健康・栄養調査によると、女性の実際の摂取量の中央値は20代で2.5μg、30代で2.6μgと、目安量には届いていないのが実情です。忙しい毎日の中で、知らず知らずのうちに不足しやすい栄養素だと言えます。

主婦だからこそ見落としやすい理由

家族の食事はきちんと用意していても、自分自身の食事は残り物や簡単なもので済ませてしまう、という方は少なくありません。特にB12を多く含むしじみやレバー、魚介類は、下ごしらえや調理に一手間かかる食材でもあります。家族優先で自分のことは後回しになりがちな生活リズムの中では、B12が不足しやすい状況が生まれやすいと言えます。

家庭でできる工夫

しじみの味噌汁や鮭の塩焼きなど、下ごしらえの手間が少ないメニューを定番化しておくと、無理なく摂取量を底上げできます。忙しくてなかなか食事だけでは補いきれないという日には、サプリメントで補うという選択肢も一つの方法です。

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まとめ

B12不足は、疲労感というかたちで静かに現れることがあります。ただし疲れの原因は一つではないので、B12不足だと決めつけず、しじみや魚介類を意識した食事を基本にしつつ、長引く場合は医療機関に相談してください。自分の食事を後回しにしがちな方こそ、少し意識を向けてみる価値があります。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書